大きな木5
ちょろぴが 木にたどりつくと
それは おおきな おおきな木でした。
ちょろぴは 見上げながら
「この木が しゃべれたら さびしくないのになあ」
そうつぶやいたとき、大きな笑い声がしました。
「だれ?」ちょろぴが聞くと
「目の前の 大きな木だよ」
木は 笑いながら いいました。
ちょろぴは 休みながら おおきな木さんとお話ししました。
「ぼくは ちょろぴ カモノハシの 家族をさがして 旅をしてるんだ
おおきな木さんは どうしてひとりなの?」
「昔 ここは森だったけど、
みんな切られて もう長い間 わしはひとりでここにいるんじゃ」
「どうして 話せるの?」ちょろぴは聞きました。
「それはちょろぴが 話したいと 心から願ったからじゃよ 」
「ひとりぼっちでさびしくないの?」
「そうじゃな 話したいと思ったら、草も風も雲だって、みんなお話しできるんじゃよ
だから、わしは一人でも さびしくないんじゃよ」
ちょろぴは びっくりして まわりをみわたし
「こんにちは」と 草に話しかけました。
そのとき
草は 「こんにちは」とゆれながら お返事してくれました。
「ほんとだ」ちょろぴはうれしくなりました。